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6月 身体に生えるカビ
果物屋さんの店先に真っ赤なルビーのようなサクランボが並び始め、もうすぐジメジメした梅雨の季節の到来です。

ふと気がつけば、食べ残しの食パンに、青やら白やらのカビがびっしり・・・こんな経験は、どなたにもおありのことでしょう。そこで、今月は、パンならぬ身体に生えるカビのお話です。
Q: 足の水虫はカビが原因と伺いましたが、その他にカビがもたらす皮膚病にはどんなものがありますか?
A: 沢山の種類があります。日常よくみる疾患を取り上げて説明しましょう。
白癬菌(爪の水虫)
皮膚の水虫を長期間放置しておくために菌(カビ)が爪の中に入って起こるケースがほとんどです。爪の先端から白くにごり、厚くボロボロになります。爪そのものが菌の巣窟になりますので、皮膚の水虫だけ治療をしても、爪から絶えず菌がばらまかれ治りません。また、家族への伝染する危険性が高くなります。治療には内服薬が有効で、爪が伸びて生え変わるまで、約半年から2年かかります。
癜風(でんぷう・・・通称ナマズ)
胸や背中に爪ぐらいの淡紅褐色または白っぽい斑点が沢山でき、わずかに痒いこともあります。斑点の表面をメス等でこすると、細かい粉が落ち、これを顕微鏡で見ると菌が沢山見えます。伝染力は弱く石鹸でよく洗い、外用薬の塗布で治りますが、患部を拭いたタオルなどは共用しないようにしましょう。
体部白癬(俗称・・・タムシ)
身体のどこに出来るかによって、呼び名がいろいろあります。頭はシラクモ、身体では硬貨のように輪っかになることからゼニタムシ、股ではインキンタムシと言われています。近年シラクモはほとんど見かけませんが、その他の白癬は珍しくありません。いずれも強い痒みを伴い、土手状の赤い輪っかが端へ端へと拡がっていくのが特徴です。
湿疹と思って、売薬のステロイド剤を塗り、悪化させてからみえる方がよくあります。何の病気かよく分からないのに、適当に薬を塗ったりすることは慎みたいものです。タムシそのものは、外用薬の塗布で比較的簡単に治ります。
また、ネコの白癬もヒトに感染しますので、毛が抜けたりしている皮膚病のネコは、必ず獣医さんに診せてください。
Q: 他にはどんなものがありますか
A: 年配の方に多いのですが、カンジダというカビが寄生すると、口の両側が白くふやけてひび割れたりすることがあります。
また、このカンジダは大腿の付け根付近にインキンタムシと似た症状をおこします。肥満症の方や汗かきの方に多く見られます。
最後にこれらの疾患をたびたび繰り返す場合は、基礎疾患に糖尿病が無いかを調べてください。糖尿病があると抵抗力が弱くなり、細菌によってオデキができやすくなったり、カビが寄生しやすくなったりするからです。
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